さて、外撮りを一度終了してホテルに戻った後、まだ暗くなる迄は時間があったのでランウェイの反対側(南側)がどうなっているのか知りたくなった。友人はすっかり疲れ切っていて休みたいと言うので、私一人でメインゲートに近いランウェイのもう一方の端(R/W-32)に行ってみた。193号線と呼ばれる道をゲートを過ぎてさらに東へ進めば、何と道路の脇に車を止めれば撮影のできる非常に視界の良い場所であった。466th TFSの列線は相変わらず活動的で、再び数機のF-105Bがエンジンをかけて飛び立っていく様子が見えた。良く見るとエプロンに並んでいるF-105Bの”HI”のレターが黒文字になっている機体もいて、予備役にも既にロービジの波が押し寄せて来ていることが判った。
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↑ F-105Bが戻ってきた・・・タキシングを目に焼き付けて本日の任務は終了である、ホテルに戻ろう。明日は、この基地への入館許可を貰っている、今日は運転の疲れを充分癒して、明日の見学に備える事に。エプロンには、遥々テキサス州カーズウェル基地から訓練に来ていたF-105Dもいたが、これは別のページでご紹介しよう。
↑ 更に車を進め、エプロンの列線を正面から見えるポイントで1枚撮影。この画面の中だけで15機のF-105Bがいた。
↑ エプロンを見渡せば、夕方にも拘らずエンジンスタートしているF-105Bがいた。柵に外で写真を撮っているのは、私一人と言う孤独の世界であるが、サンダーチーフのタキシングを初めて見る興奮で、一人で撮影している不安は忘れていた。
F-105B / 57-5816
F-105B / 57-5817
F-105's Page
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1976年から本格的に軍用機の撮影を始めた私にとってF-105と言う戦闘機は、雑誌のグラビアでのみ目にする事の出来る過去の軍用機だった。幼い頃、父に連れられてよく入間ジョンソン基地のオープンハウスに行ったので、実機を見た事はあるはずだが記憶にはない。先輩諸氏がF-4ファントムほど大きいと言っていたが、写真で見ると細身でF-4より小柄に見える。確かに前脚は長く、背の高い米兵が立ったまま機首の下を歩けるぐらいだったので見上げるようなBODYだろうが、実際に目にしていないと想像し難いものである。
 ユタ州のヒル空軍基地(Hill AFB)で初めて彼らを目にした時は、撮影目的が配備されたばかりの新鋭機F-16だった為、この地でF-105を拝めるとは想像もしていなかったので我が目を疑った。1980年3月某日、私はヒル空軍基地に向かうフリーウェイ80を走っていた。運転をしながら、ふと雪の掛かったワサッチ山脈に目をやった時、そこに何やら盛んに飛び回っている戦闘機らしきシルエットを発見、それは紛れもなくF-105であった。Hill AFBの撮影許可を取っていた私と友人の目的は第388戦術戦闘航空団のF-16Aで、同一ベース内にリザーブ・ユニットの301th TFW/466th TFSがいる事など知らなかったのだ。466th TFSは、TAC-UNITとはエプロンが異なっていたのと、AFRESには撮影許可を取っていなかった為、基地内では彼らを撮影できなかったが、柵の外から撮影を試みた。Hill AFBには過去に写真家の徳永氏と瀬尾氏が訪れていたものの、こんな辺境地のランウェーの両端で(ランチェンがあった)柵の外から撮影したのは、我々が最初だろうと友人と苦笑いをした記憶がある。しかし 1980年3月我々は、この後もっと辺境のマウンテンホームAFBに向かったのである。(2002年 4月記)
 Hill AFBは、ワサッチ山脈の近くに位置する為 冬場は特に天候が不順で雪も多い。2002年冬季オリンピックの開催地になったぐらいであるから、冬の寒さは想像が出来ると思う。ここにTAC(現ACC)を代表する航空団の一つ388th TFW(現FW)があり 傍らReseve Unitの466th TFSが同居している。F-105は、何と最後のB型であった。彼ら予備役飛行隊のエプロンは滑走路南側(R/W-32)にあり、市街地の道路から中の様子が良く見えた。同飛行隊のF-105Bは、まだテールレターも白いものが多く、黒に塗り替えられた機体が若干見受けられる程度であった。466th TFSはその後D型に機種転換して、サンダーチーフを使う最後の飛行隊と記録されたが、1984年にF-16C/Dに更新している。
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↑ GCAで真っ直ぐ降りてくれれば良いのだが、オーバーヘッドでレフトターンを掛けながら着陸するので、どうしてもこのように左に傾き傾向の写真が多くなる。
F-105B / 57-5833
↑ ヒル空軍基地のR/W-14で離陸して行く466th TFSの2機のF-105B。
↑ 柵の外から撮影したF-105BとT-33Aの列線、よく見れば黒いテールレターの機体は、下面まで迷彩を施されたオーバーラル・カモフラージュの機体である。
F-105B / 57-5803
F-105B / 57-5837
フリーウェイを降りてヒル空軍基地に向った我々は、先ず航空機が着陸していたHill AFB のRunwey-End(北端 R/W-14)に車を進めた。しかし、我々の目の前に現れたランウェイエンドの情景は、この通り。崖の上にフェンスが見えるが、この険しい急斜面を登らないと撮影不能である。登ってもランディング・ライトの段差が示す通り かなり航空機の降りは高い。しかも ほとんどの航空機は上空をオーバーヘッド後レフトターンして着陸するので、順光側で撮ろうとすれば、旋回中の航空機のお腹を撮る羽目となる・・・州警察の巡回も時々あり 相当勇気のいる撮影ポイントだ。さぁ、折角来たのだから勇気を出して この崖を登ろう!
508th TFG/466th TFS